
via www.lib.isics.u-tokyo.ac.jp 「髪切の奇談」 一鵬斎(歌川)芳藤 莱莉垣桜文附 注「諺に野暮と化物なしといへども 夫もまた奇怪珍説なきにしもあらず 頃は四月廿日の事なりしが 所は番町辺のさる御屋敷に 年ころ奉公せし女中 或夜半の頃 寝所よりおきて 厠に行しに何者共しらず 真黒なるもの突然と来りて 頭当ると覚ゆるが否 俄に倒れて人事を知らず 此物音に驚きて人々集まり介抱せしかば 漸正気に成たり 然るに髻は落て 二三間はなれたる処にあり 其真黒なる物は猫の如くにして恰も 天鵞絨のごとくなりしとぞ 是は正しき書に出たるを爰にあらはすもの也」


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