「好きになった」: ジャン・ルノワール「ピクニック」

You Tubeっていう新しいサービスがあって　あまり見られなかった映像がバンバン上がってるらしいよ、って聞いたのはいつだったろう
去年？たしかmixiのP-FUNKコミュだったと思う　若きファンカデリックにめちゃくちゃ興奮したなー「I'll　Bet You」
上に検索バーが付いていて　動画何でも検索できるらしい　うわぁすんげぇー　何て入れよう？　とりあえず、まず何が見たい？
「Jean Renoir」と打ち込んで結果はゼロだった　

うちにはじめてパソコンが来てネットにつないだとき、はじめはホーム・ページyahooに設定されてたの
三年前？四年前？もう映像アップしてる人たちがいて、だいたいはQuick Timeで見るんだよ、って友に教えてもらった
インターネットすんげぇー　彼が帰ってからすぐ検索バーに「ジャン・ルノワール」と打ち込んだ　

ジャン・ルノワールの映画は二本しか見ていなかった「大いなる幻影」と「河」　
「大いなる幻影」は暗くて退屈な映画だった　途中で寝た　「河」は実家近くのビデオ屋のレンタル落ちで手に入れた
淀川長治が最初に出てきてこんな話をした

「私はこの映画「河」を友人の女性とロサンゼルスのチャイニーズ・グローマン・シアターで観た　素晴らしかった　凄く美しい映画だった
もの凄く感動して振り向くと友人は居眠りをしていた　私は彼女と絶交しようと思った　

「河」は映画の神様ジャン・ルノワールが初めて撮ったカラー作品だ　ルノワールはナチスに占領された母国フランスから逃げ出して
ハリウッドで何本か映画を撮ったがうまくいかなかった　ハリウッドは監督よりプロデューサーの力が強い
ルノワールは生まれながらの芸術家でハリウッドとはそりが合わない　失意のルノワールに花屋の組合から手紙が届いた
「ルノワールさん、もう一度だけアメリカで映画を撮ってください　お金は私達が出します　今まであなたはカラーで撮ったことがない
私達のために、カラーを使って美しい美しい映画をつくってください」」

「河」は本当に美しい美しい映画だった　見てすぐ「河」のいちシーンをデスク・トップの壁紙にした
友人に熱っぽく薦めたけど皆「途中で寝た」と言っていた　オレは彼らと絶交しようと思ってできなかった
「ストーリーが平坦」「主人公に魅力がない」「ほとんど何も起こらない」
人それぞれ、とは言ったものの　正直、彼らを哀れに思う　
「ストーリーが平坦」「主人公に魅力がない」「ほとんど何も起こらない」君の人生とそう変わらないじゃないか

そのくせ「河」はとんでもなく楽しかった　愛らしい娘や獣を見るように、このままずっと見ていたいと思った

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1936年、「河」の15年前にジャン・ルノワールは「ピクニック」という映画を撮っていて、未完成のままだった

「ルノワールの脚本は、晴天を念頭に置いて書かれたものであったが、不運にも３５分間のフィルムが撮影された時点で、止むことのない雨が振り出してしまい、撮影は中断してしまう。そしてルノワールは次の作品「どん底」に着手し初め、未完成に終わるのもやむを得ないという事態に陥った。
　しかし製作者のブロンベルジェだけは、何とかしてこの映画を完成させようと必死になって行動し続けた。ユダヤ人であった彼はナチスに逮捕されてしまうが、収容所を脱出した時も、やはり「ピクニック」の完成のことを考えていたという。１９４６年にパリに戻ると、無事にこの映画のネガを発見することができた。それをもとにマルグリット・ルノワールが編集を行い、撮影されなかった二つのシーンを説明字幕で補うことで、今観られる「ピクニック」が完成したのである。」　
「ピクニック」についてより

veohは英字幕ですが心配御無用　ストーリー、らしきものはこちらのサイトで全部わかります