1990年 「ニュースバトル」より 晩年の竹中労 via machbookmark
「ジャーナリズムとは人権を侵害する宿命を持っている」「正義の味方でもなんでもない」
「これも商いであって、資本であって、職業であって、ギョウと名が付く以上、その業からは離れられない」
途中触れられる「かっちゃんの事件」とは勝新太郎のコカイン所持→逮捕事件のこと
ラジカルな芸評で知られる竹中はとーぜん勝新(と、いうか芸人の無軌道)擁護派だろうなぁと思ったら
「ひとりになる勇気があるか?」「莫迦は莫迦の共和国を作って莫迦の共和国の大統領になんなさい」
「そういうこと(芸人兼経営者という矛盾)がわかんない、わかんないことが売りになってるのが腹が立つ」
言いたい放題のこの男、竹中労は英太郎の息子です 竹中英太郎は夢野久作の挿絵で知られる幻想画家 作品
学徒動員先で教師から半殺しのリンチに→終戦後は共産党員→アナーキストの泥棒稼業→朝鮮人と組んで山谷暴動に参加→「女性自身」寄稿、史上初の「トップ屋」芸能ルポライターとして名をはせる→ビートルズの来日ドキュメント「ビートルズ・レポート」が三島由紀夫、深沢七郎などに絶賛される→東映俳優労働争議に参加→日本共産党から除名→「書かれざる美空ひばり」部落解放同盟から糾弾を受けるエトセトラエトセトラ
ビートルズ・レポート―話の特集 東京を狂乱させた5日間
著者: 「ビートルズ・レポート」復刻委員会; 新品 ¥1,223
数知れない逮捕歴 揉め事の傍にこの男あり 精力的な企画屋としてアイヌや沖縄、パレスチナ革命や日本赤軍に肩入れしつつ、
新右翼の野村秋介と交わり、田中角栄を弁護し、グリコ森永テロ事件に喝采を送り、齢五十にして背中一面に刺青を彫った
竹中労のキャッチ・フレーズは
「左右を弁別せず」
「弱いから群れるのではない 群れるから弱いのだ」
何で読んだか、パレスチナに逃げたテロリスト集団、日本赤軍のメンバーは、異国で竹中の文に触れ涙したと聞きました
「隊伍を整えなさい。隊伍とは仲間であり、隊伍とは、すなわち規律であります・・・」(検索すると毛沢東の引用らしい 間違ってたら御免なさい)
上の一触即発について当人の弁
「十三日の金曜日、ゲスト・パネラーとして自民党代議士、柿沢弘治氏がむかえられた。彼は少々酩酊のようすで、ぼくたちの面前でプロデューサーに酒を度々要求し、まことに傍若無人であった。丁重に断られると、『固いこというんだねえこの番組は』とブツクサ。ぼくは、ムカついた。酒を呑むなとは言わない、国会でも酔って審議しているのかと、野暮な皮肉をならべても仕方がない。柿沢センセイは、つまりこの番組を軽く見ておった。たかが低視聴率朝までテレビ、俺が出演して箔をつけてやる?
オフザケジャナイヨ、喧嘩の竹中・五分の虫に一寸の魂、頭をもたげちまったという次第。番組が始まると、ニタニタ笑って常識と建前しか述べず、真面目に討論する了見さらになし。かくて馬鹿野郎、陣笠ふぜいめがでかい面するなと、怒鳴り上げの巻。我ながら、ちと大人気なかったと、半分は反省しているのでアリマス。(略)」ホワット ア TV めいどより
このとき既に己の余命を知って、翌年の遺言書には「通夜葬儀一切無用、死に顔は見せるな」
「「たま」の本」は絶筆となりました 「「たま」はビートルズより凄いよ」
「たま」の本
竹中労は注目されがちな時局評論より以上に、芸能ルポライターとして偉大な仕事をした作家です
「鞍馬天狗のおじさんは」「美空ひばり」「「たま」の本」「ビートルズ・レポート」
その真摯で圧倒的な取材量は、手前勝手な思い入れを書き散らすか芸人の提灯を持つより他に能のないわが国の「音楽評論」とは縁が無い
はじめの一冊ならこの本を
決定版ルポライター事始
著者: 竹中 労; 新品 ¥798
You Tube「竹中労」検索
松岡正剛の千夜千冊『ルポライター事始』竹中労
日刊スポーツ「21世紀への伝言」
夢野久作と吾が父・英太郎
竹中労 年譜およびデータ集成
「たま」という船に乗っていた
- ヒサミチ
- 「好きになった」はインターネットの大道芸収集サイト 風に散らばるチラシやビデオ、イイ話を集めています
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2007年9月24日月曜日
You Tube 竹中労語る
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2 件のコメント:
懐かしい。この番組をリアルタイムでほとんど欠かさず見ておりました。途中で寝てしまったこともあるけど。
「表現の法規制をどう考えるのか」という命題において、間違いなく影響を受けました。
http://tinyurl.com/3cnn3u
ビートたけしのフライデー襲撃事件の際、喧嘩両成敗的な論調が大勢を占める中、「イエロー・ジャーナリズムの猥雑な精神を継いだフライデーの仕事は天晴れ、そして、芸能生命を賭して直接殴りこんだたけしくんも見事です」「近年まれに見る快事件」との発言が強烈でした
自分は竹中の著書や発言の、薄っぺらい善悪を突き抜ける野蛮が好きです 血が騒ぐんですよね
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