Quimsy's Mumbo Jumbo: Vocal Ease
とんでもなく素晴らしいアルバムが、LP出たきりいつまでたってもCD化ならない いわゆる「幻の名盤」問題
首尾よく己が手に入れた場合、いつまでもCD化ならないで欲しい 豚はブタ真珠は真珠 正直君たちごときに聴かすのは勿体ない
どうしても、というんなら俺んちにくれば聴かせてやるけど イントロだけ 歌いだしだけ 一曲だけ A面だけ
チューハイの缶に吸殻が山と積まれた汚部屋でしかし、マー大抵は、珍しい、ってだけのレコードがぐるぐる回ってビニール・ジャンキーに朝がくる 熱は散らばって酔いは醒め、背筋が後悔でションボリ重い
・・・大枚はたいて手に入れたものの、このレコ噂ほどのもんなのか イイ曲あっても一曲のみとか 単にセレブが遊んでいるだけとか カッコいいのはジャケだけであるとか もうレコードやめた酒やめたまたマスコミに騙された 何が「幻の名盤」だ たったいまボクは目が覚めた 二度と無駄遣いはしないと決めた
レア盤漁る孤独な狩人たちが知ってて言わないことがある 世に知られない音楽にはつまり、それなりの理由があるってことだ 大抵の場合は
だから今回は非常事態です
B.J.Wardの1974年のソロ・アルバム「Vocal Ease」がQuimsy's Mumbo Jumboでダウンロードできるよ ヤフオクで買うと4まん5せんえん也 オランダはcatfishというあまり聞かないレーベルから出たせいかどうもCDにはなってないみたい
そんなにイイの?と疑う人よ 2曲目「Keep It To Yourself」がWAXIDERMYで試聴できます 是非
*ダウンロード方法 |
恋人の耳に囁くように歌うB.J.Wardには媚びもなければ気負いもない 一聴シンガー・ソング・ライターのアルバムだけど、15年早ければ彼女はクール・ジャズを歌っていただろう 声とアレンジともに表情を抑えた大人のポップスに「ソフト・ロック」の括りは勿体ない
1969年 B.J.Wardは元Inner Dialogueというサイケ・ポップ・デュオの出身で、5年後このファースト?ソロを出したきりネットではイマイチ行方がつかめない(このひとかな?)CDで再発成ったInner Dialogueもよかったけど、自分にとって繰り返し聴く類の内容ではなかったでした まさかソロがこんなに素晴らしいとは
B.J.Ward「Vocal Ease」は曲の半分をカヴァーが占める
ラフマニノフ「Vocalise」にはじまってジェリー・ラファティ「Keep it To Yourself」からニール・ヤング「Loner」へ、ローラ・ニーロがデビュー盤(傑作)で歌っていたビリー・ホリデイの「Billie's Blues」スタンダード「Try to Remember(想い出の九月)」
目玉はビーチ・ボーイズ、ちゅーよりブライアン・ウィルソンの「I Just Wasn't Made For These Times(駄目な僕)」
20世紀屈指の名曲であります 下にオリジナル ビーチ・ボーイズ版を貼っておこう
軽やかに舞うB.J Wardのバージョンと聴き比べて欲しい
「好きになった」: 不思議音楽 試聴サイト特集
1 件のコメント:
いいっすね、これ。
幻の名盤という名前にぴったり。
この頃ってみんながこぞって同時代の曲をカバーしてる印象です。
って今もそうなのかもしれないですけど。
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