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2011年3月2日水曜日

「社会に適応するため自分を操ろう」精神分析発大衆操作の歴史ドキュメント「自我の世紀(2)合意の捏造」

脳がポジティブに

空高く羽ばたく鳥のように 野に咲く一輪の薔薇のように
自由な精神を持ち続けたい



たとえばそう思いつつ日々を生きる いち自由人に対し
読者諸君も御存知のとおり、
現代日本は実に冷たい社会である

寒い朝など布団を出るのが億劫だ
ついつい朝寝の自由を行使 
遅刻が重なり留年に

理不尽きわまるパワハラ上司の圧制にNO
自由の精神で対抗だ
ついつい小突いて懲戒免職 

マリファナ吸っても電車で女の尻を撫でても
コンビニ内で封を破った菓子パンむしゃむしゃ食べても
この社会では許されない 「ちょっとアンタ!何してるの!」


哀れお縄となった元自由人はその非を諄諄と諭される
「自由には責任が伴う」と

責任つまり後払い 駐車場にポスターありますね 
「無断駐車は罰金10万円申し受けます」 同様に
上司を殴ったら×万円、電車の痴漢は×万円と
いちいち書いてある本がある いちいち決める人がいるわけだ

人間社会はお互い様 逆にこちらが無料で殴られてはたまらない
「俺の自由」と居直られても困る 
個人の自由を制限せずには個人の集団が、
つまり社会が成り立たないのです


「社会?関係ねぇだろ」みたいな自由人は恐ろしい いつ殴られるかわからない 
必要なのは教育だ 社会のルールを叩き込まなきゃ
「バチがあたるよ」「地獄に堕ちる」「生き倒れて死ぬぞ」「刑務所に入りたいの」 
いくら説いてもダメな人、イコール頭がアレな人 
要治療、トどっかに閉じ込めちゃうのが通例ですね 
お巡りさんに連れてってもらわなきゃ 社会の管理下に置かなくちゃ 

生まれ変わらせる


だが上の如き豪傑譚 最近はあまり聞かないね 
無差別殺人達成後、諭されちゃんと反省する人までいる
知らん人刺す前に諭されとけや、と思うけど
ひとはひと自分は自分の、これも御時世也 

「その気はあるのに社会に適応できない」
むしろ近年よく聞くのはこっちのほうだ 
せっかく生まれた管理社会で管理されない自分が悲しい 一体どこがマズいのか、と


にしても、適応の激ムズいその「社会」って具体的にどんな社会?と
問うても答は千差万別で
要するに、親だの教師だの上役だの新聞TVだのの
「期待される人間像」通り振る舞えない、て話だったりもする
だから狐の落ちるが如く、一人暮らしや転職で解決することもしばしばだ

ハナからあやふやな「社会の望む理想像」を当て推量に熱演し
その甲斐の無さに疲れ街行く人をフト見上げて溜息ばかり
「何でこんな社会に耐えられるの…」「みんな苦しくないの…」
「変な狐にでも憑かれてるのでは?」「狐が日本を支配してるのでは?」

マァ狐は諸君の心の中に つまりどこにでもいるしな


*先に日本語翻訳したBBCドキュメント映像の傑作シリーズ 今回は狐狩りの話 

精神分析がいかに大衆操作に用いられたか、の検証ドキュメント
「自我の世紀 Century Of Self」パート2「合意の捏造」を見てください
2から見てもだいじょうぶ面白いです (パート1パート3)(YouTube)



今回は精神分析学の祖ジークモント・フロイトの娘、アンナ・フロイトの内面操作術が
戦後アメリカ消費社会に広まり衰える過程&
フロイトの甥エドワード・バーネイズの演出したグァテマラの政変劇(PBSUCCESS作戦)が中心

喧伝される「無意識の恐怖」に怯えたインテリ官僚財界人が
精神分析理論をテコに 
いかに戦後アメリカ大衆を操ったか&どうして操りきれなかったのか、が見所だ


個人的にはこの何気ない一言が強烈だった
「民主主義の価値を内面化する」

民主主義内面化

「共産主義の内面化が足りない」と同志殺しを繰り返したのが連合赤軍リンチ事件

ソ連で政治犯は精神病院行きなら、
アメリカじゃ原爆投下の罪悪感を拭えなかった将校が「精神を病」み
もっと昔は黒人逃亡奴隷が「精神病」とみなされた 今は小児猥褻犯=精神病者 
次は「差別主義者」の番だろう 


「内面化」の完了した社会の優等生が、規範に外れた者を狩りだせば
魔女狩りと同じで歯止めがきかない 何しろテキは「内面」の、目には見えない心の病
異議を口にするだけで、「お前もか!」こっちが狩られちゃいそうだ 


病院送りは御免こうむる、と日々社会適応にきりきり舞いの我々も、
ひとたびそのおっかない「社会」を規定すると
何か普遍のもの、変わらない不動の存在を頭に描きがちであります

だが読者よ10年20年前の自分を思い出して欲しい 
欲望、悩み、人間関係、
現在ただ今コレ読んでる君と昔の君は、ある意味ほとんど別の人なはず 

変わったのか変わらされたのか、イヤ実際は何も変わっていないのか
もしも歴史に学ばなければ
それ測る基準は他人の眼という「社会」だけだわね 堂々巡り


「なら考えたところで何になる?乗り遅れないことが肝心なのだ」と
自己操作を説く新書の類が
ベストセラーに挙がっては忘れられていく

人権民主主義の御時世に
電気ショックやLSDで頭を書き換えるのはもう古い
悟られずソフトに誘導するのがウィンウィンへの王道です、
くらいの説はそんな新書にだって書いてある 

大衆操作が身近にソフトに暮らしの中に入り込んでいる現在
その霊験ますますあらたか、かどうかは知らないが

気づかせずall


ところで「社会適応」の1ランク上
ままならぬ世間の誰彼を、思うまま操れたら楽しかろう
銭も名誉も権力もアッチの方も満たされる 

自己操作や自己変革のすすめには、
この万能感への希求を誘う香りが強い


そもそもわれわれ皆が一方的に操られ、
適応を即される「被害者」なわけがない 
人間社会はお互い様 けっきょくのところ、
他人や社会を操りたいからこそ「新しい自分に生まれ変わりたい」のだ 

「敵を騙すにはまず己から」のつもりの自己操作の果て
狐に憑かれた狩人が束になって「狐は、狐はどこじゃ?!」と
右往左往してるのが モノノケ大衆社会の実態じゃないの?
やっぱり狐が日本を動かしてるんじゃないの?
ト世相を斬ったところでこの項終わる


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心理学化する社会封建主義私には夢がある―M・L・キング説教・講演集カッコーの巣の上で

「好きになった」: フロイト精神分析発「電通の陰謀」行 大衆操作プロパガンダの歴史ドキュメント「自我の世紀(1)」を見てください

「好きになった」: ペドフィリア収容所 ―小児性虐待者は治せるか 米精神病院レポート

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

>他人や社会を操りたいからこそ「新しい自分に生まれ変わりたい」のだ

というのがちょっとピンと来ないです。。

ヒサミチ さんのコメント...

それのどこがピンと来ないのか 
よくわからないです…

匿名 さんのコメント...

ええと、
「新しい自分に生まれ変わりたい」と思う人の全てが「他人や社会を操りたい」と考えているわけではなく
例えば、劣等感や自己肯定感の低さを解消したくて自己啓発セミナー等に駆け込んでみたりするのではないかな、と

ヒサミチ さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
ヒサミチ さんのコメント...

他人の意識を操らずに、あなたの「劣等感や自己肯定感の低さ」をどうやって解消するんでしょうか?

解消した!一時そんな気分になるだけでいいなら部屋にこもってドラッグやるのが一番早いですよね

「新しい自分に生まれ変わりたい」人たちが「他人や社会を操りたい」と明確に考えている筈もないでしょう 彼らの曖昧な欲望ではなく、その欲望を満たすための前提条件を指摘しています

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