自分の写真
「好きになった」はインターネットの大道芸収集サイト 風に散らばるチラシやビデオ、イイ話を集めています 
自作音源 *旧「好きになった」 *好きになった」がおすすめしたい *はてなブックマーク *Twitter *Translation in ENGLISH

2008年6月18日水曜日

好きになるのが怖い

 こないだの、ああいう記事を書くとさすがに寝覚めが悪いわね 
「加藤が失敗したのはわかったけども、そんならどうすればいいのよ?」に応えられてない 

 「恋人がほしい でも、どーせ俺なんか」件の孤独はどこにでも転がっている孤独であって
己の思春期を顧みて「寂しい」「相手は誰でもいい」その心理に覚えのない人はそういないだろう 
 
 かくいう俺じしんが「誰でもよかった男」です 今日は通り魔サカナに自分語り劇場 若い読者の参考になればと思う



 自分がネットに書き込みはじめたのは出会いサイトから のべ50件くらいに登録した
「ご近所」「即会い」「お相手探し」みたいなのに本名直アドを平気で渡して、サクラ相手に長文メールを書きまくった 当時はサクラの存在すら知らなかった 

 とうぜんワンクリックサイトや飛ばしサイトから架空請求がバンバン来る 青くなって、ようやく検索することを覚えたわけです 



 そもそも俺がインターネットをはじめたときに、まず考えたのは「コレで異性と知り合えるかも」のちにmixiやTwitterに登録した動機も同じです「やれるかも☆」 

 「やりたいだけなら風俗行けよ その方が安上がりじゃん」よく言われたけど、そういうんじゃない
「やりたいだけ」はポーズであって、無論ほんとうは寂しいのです 
 コミュニケーションに飢えている アテンションが欲しいのです 誰かに愛されたいんだよ 

 でも、いい大人が「寂しい」ってなかなか言えないだろ? こっ恥ずかしい 
だから「やりたいだけ」は方便なのです ボクの場合は、ってことですけど



 上の如く居直った物言いを、若い頃はなかなかできなかった 
90年代に伝言ダイヤルってのが流行って、今でいう即会い掲示板だね
はじめて公衆電話からかけた夜を覚えている 
18歳です 音楽が好きです 誰かメッセージくれる人を待ってます

 女とやりたくてやりたくてしかたがなかった 自分の鼻息が耳について嫌だった 
メッセージは返ってこなかった



 頬を受話器につきあてて、残された知らない誰かの録音をむさぼるように聞いた 舌っ足らずのざらざらした声

「こんばんわー マユミでーす Dカップでーす 今日はー、セフレくんにすっぽかされて暇しちゃってるのでー、カッコいい子いたら大宮で遊ぼう?フフ、やりたいよー」

 部屋に帰ってシュルシュル性器をこすりながら、その娘のことを考えた 今頃いい男と乳くりあってるんだろうな うしろからバンバン突かれてる にしても何で、その相手は俺じゃないんだ?

 俺は、カッコよくないからだ それを自分で知ってるからだ



 伝言ダイヤルのマユミって娘はいつのまにか俺の頭の中で、デラべっぴんやスコラ系グラビアアイドルばりの、めっちゃエロくて可愛くて何でも言うことを聞く天使と化していた こういうのを世間知らずという 

 怖じ気づけば枯れ木も幽霊に化ける 霊に目鼻があるだろうか 幽霊の見分けがつくだろうか 「誰でもよかった」とはそういうことだ


 
 オナニーが終わると自己嫌悪タイム どうしてボクは積極的になれないの?もっとガシガシいけないの?   

 ・・・でも、女性だって人間だ ただ「やりたいだけ」なんて酷くないか?相手が愛をほしがっても、自分の目当ては射精だけなんて 顔もアレなら金もない「自分勝手」で「変わってる」俺みたいな奴と、セックスしてくれる娘なんてこの世にいるのか?そも愛と性欲って分けられるのか?


 
 どうどうめぐり こんな風に、何年も考えていた 
恋愛市場って言葉があるけど、自分を商品と思い込んでいたんだよ 不良品 型落ち 欠陥製品 防衛機制ってやつが作動して、店も開けず客もつかないうちから独り決めしていた 


 
 <俺は人を好きになるのが怖かった> 

 セックスって他人の前で裸を見せなきゃなんないでしょ 相手の裸は見たいけど、自分の裸は見られたくない 己のあさましい性欲を見透かされるのが嫌だった 助平がバレたらどうしよう 愛さずに愛されたいと願っていた ‪傷ついたり、失望されるのは御免だ 他人に心を許せば最後、必ず裏切られるだろう


 
 亀が甲羅に首を引っ込めるように、俺は、心のチンポを胸の奥に引っ込めてたってわけ

 (いまでもはじめてセックスする相手とは、ちんちんが勃たなくて困る からだが人見知りしてるんだろう でも、みなさん謝ればわかってくれるです セックスって出し入れだけじゃないからさ カーイイ猫とか犬とか触ってると嬉しいじゃん?ああいう感じだよ)


 
閑話休題 

 どうしてそんな悩める青年が、ネット出会い厨に化けたのか、説明すると長くなる

 読者諸賢ご推察の通り、ボクは愛っつーのがホントのとこよくわかんないんです わかるのは己の性欲です
性欲が行動(声をかけたり)の動機となって、愛情や信頼はその結果として生まれるものと考えている


 
 もちろん人の感情に正解はない これは俺個人のサンプルでしかない 
でも同じ時代、同じ国で暮らす若い奴らの抑圧や悩みはよく似ている 自意識肥大ってやつだ
君の愛や性欲は学校で教えてもらえない 親に学べない子も沢山いる

 ネットにズリネタは転がってるけど、君が誰かを好きになったり、殺したくなったときの参考サイトはあまりない 「あなたはストーカーになっていませんか?」「通り魔の気持ちはよくわかる」「ソープの女は全員性病」「甘えんな」「つまんねえ奴」「お前、友達いないだろ?」「誰もお前なんかに興味ねーよ」

 YES!YES!でも俺はたくさんの人に興味がある 世間に面白い奴はいっぱいいて、我が家のマイコンは11億人と繫がっている メールを一発出すだけで、ひょっとしたら返事がかえってくる 相手の心をつかむには、どんなメールを書けばいい?そう考えるのが好きだ

 俺は友や恋人や教室や職場から「誰かを好きになること」を学んだ 
本や映画や音楽から、愛することの嬉しさやエゴイズムの恐ろしさを学んだ


 
 殺したい奴はたくさんいる セックスしたくて出来ない相手もいる 
でも、「誰でもいい」とはもう思えない 君でなきゃだめなんだよ


 
 大人になって気がついたこと
 老若男女を問わず、みんな助平だし、みんな寂しいの 
内実は俺とあんまり変わらない みんな人を好きになるのが怖いんだよ 
無視されたらヤだから、先回りして無関心を装ってるの

 そんなら自分じゃどうしようもない「寂しさ」や「助平」は認めた方が、何つーか、話が早いじゃないか
 
 愛されるには何もいらないけれど、誰かに愛を告げるには自信と勇気が必要なの
大人になるってことは、愛されるだけじゃなく、愛する側に回るってこと
愛されるだけじゃ寂しくて、われわれ大人になるんです


 
 何でこんなエラそうなこと言ってんだ俺 相田みつをか まぁいいや

4309403441 シンデレラボーイ シンデレラガール
著者: 橋本 治;

「好きになった」: 恋に似たもの


ヒサミチmixi日記より転載「いい声いい顔いい男」

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

居直った物言いが出来ない人間です。
「好きになった」っていうこのブログのタイトルが、読んでて浮かんできました。

ヒサミチ さんのコメント...

自分のばあい、他人からの評価があんまし期待できないので、せっかちに居直っちゃうところがあるかなぁ 

まだ青春どまんなかの若い子は、ギリギリまで居直らずに、「建前」という名の共通語に本音を忍ばす方法を探した方がいいと思います 

でも「好きになる」って「一緒に死にたい」「邪魔する奴は殺す」でもあるから、怖いのはほんらい当然なんだよね

犬と同じで、自分が先に怖がったら、くどいてる相手もビビっちゃう 居直る、「ぶっちゃける」のは緩和の効果もあるかもですね 

「好きになった」ブログタイトルの由来 
http://hisamichi.seesaa.net/article/11831413.html 
2ちゃんねるで一番好きな書き込みです

杉山愛実 さんのコメント...

四年前に更新が途絶えているブログに書き込むのはむなしいですが、超おもしろいです。
文章のスタイルが天才的に気持ちいいです。
特に下の、秋葉原通り魔殺人事件の記事が最高です。
今はどんなことを考えて、どうやって語っていらっしゃるんですか? 知りたいです。
ちょくちょく見に来るので、また書いてください。
気付いてもらえますように!

ヒサミチ さんのコメント...

最近はツイッターばっかり 
なのでこちらもよろしくお願いします
https://twitter.com/hisamichi

2008年の加藤の乱は、不景気下に遅れてきた、ひとりぼっちの階級闘争の感ありましたが、いまは先鋭化する反差別闘争に興味があります 「私(我々)は無視されている」若しくは「無視されている人達がいる」というお題の立て方に、自分は惹かれるタイプのようです

https://twitter.com/hisamichi/status/494477155300937728

自分もまた「私は無視されている」「誰にも気付いてもらえない」と、ひとり腹を立てつつ老いて死んでいく、今時の人間だからでしょう

気付いてくれてありがとう

「好きになった」がおすすめしたい

月別アーカイブ