天才は何とかと紙一重 その何とかについて知りたい需要は若者に根強く在って、
何故かと問えばマーどう転んでも君は天才になりっこない が、ひとつ間違えば逆のほうには転びかねない 皇族が鬱なら我々だって鬱にもなろう
いったい価値ビンラン価格ハカイの当節にマトモとは何か狂気とは何か
みごと経済成長を遂げたわが国においては、職もいらない友達もいらない住居もいらない恋人もいらない親も教育も子供もいらないと皆が皆に言ってまわった結果、われわれに必要なのはたったふたつ
自分と自分の欲望だけとなった
「お前はお前だろ」「自分の頭で考えろ」「自分の責任で行動すべし」煽られて部屋にひとり己へ問いかける「本当の自分はどこにいる?」
そこにいなければどこにもいない 考えれば考えるほど、自分というのはよくわからない
目を閉じ耳をすませばどこからともなくブウウ――――――ンンン――――――ンンンン………………と音がする
あるアイドル歌手がインタビューで、今、どんな本読んでるの?と聞かれた際に
「この本、全部読んだら頭がおかしくなっちゃうんだって(笑)だからドキドキしながらちょっとずつ読んでるよー。おかしくなっちゃったら困る(笑)」と挙げていた奇書が青空文庫に全文あがってます
「ドグラ・マグラ」夢野久作 1935年 Wikipedia WEBで読める作品一覧
夢野は自分にとっては短編作家 まずは猟奇歌やいなか、の、じけんみたいなのの方がオススメですが、「ドグラ・マグラ」は、たとえば藤枝静男「空気頭」深沢七郎「妖木犬山椒」色川武大「狂人日記」筒井康隆「脱走と追跡のサンバ」に並ぶ、狂気を描いた日本文学の代表作でありましょう
田紳有楽;空気頭
著者: 藤枝 静男; 新品 ¥999
ところで
ドグラ・マグラもいいけれど、個人的には最高傑作のフィリップ・K・ディック「暗闇のスキャナー」(pdfファイル)、無料で全文読めるのに話題になっていないのは何故なのか 自己喪失というテーマは同じではないか これ以上面白い小説なんてそうないと思うよ
翻訳家山形浩生の太っ腹なページで読める「たかがバロウズ本。」(pdfファイル)も最高だった
あのわけのわからんバロウズの著書なんかよりゼンゼン面白いぞ
そのバロウズやヘンリー・ミラーの処女作が「アホダラ帝国」キャシー・アッカーなどが全文読めるページはこちら
加えてkotorikotorikoのブックマークで知ったんだけど、
バーチャルハルシネーションってツールがあるのね 統合失調症のシミュレーション・マシーン ヘルメット型ディスプレイで幻覚症状の疑似体験が出来るらしい 元サイト
「やがて医者がやってきて診察を受けるのだけれど、医者が話している間にも、耳元で笑い声が聞こえたり、「信じるな」とか「悪人! 悪人!」とか罵る声が聞こえたりしてうるさいほど。なるほど、これが幻聴、ということらしい。You Tubeにもありました まんま「暗闇のスキャナー」だなコレ
さらに、医者の姿も歪んで見えたり、消えてしまったり、あげくの果ては医者の額に突然第3の眼が現れたり。デスクの上に置かれているデジタル時計の数字 も勝手に動き出して、「GO NOW」とか「LOSER」とかいう文字が映ったりもする。ディスプレイをかぶったままぐるぐると回ると、部屋の中を鳥が飛んでいたり、視野の隅を虫が横 切ったり」読冊日記より
もとは分裂症の名の通り、バラバラになった意思がひとつの肉体を別々にコントロールしようとしているように見える ニコニコ動画の荒らしコメントが音声になって自分だけに聴こえるみたいな
もちろん症状は千差万別でしょうが、自分が自分でいるってことはそう簡単じゃないと思ったよ
スキャナー・ダークリー
著者: フィリップ・K. ディック, Philip K...; 新品 ¥924
「好きになった」メモ: 信じる心
「好きになった」: 私は見た
「好きになった」: 泣けない2ちゃんねる
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