1986年の「ギニーピッグ4 ピーターの悪魔の女医さん」がニコニコ動画にあがってるよ 1 2 3 4
わが国の歴史上もっとも有名な室内写真といえば幼女誘拐殺人犯宮崎勤の部屋 彼の膨大なビデオ・コレクションのうち、ホラービデオ徹底規制派の槍玉に上がったのが「ギニーピッグ」(音でます) 現物は現在入手困難 これは海外の逆輸入版
部屋に一歩入ったときのことは忘れられません。
窓がなくて薄暗く、とくに「残虐描写が間接的な引き金となった」「悪質な影響を与えた」とみなされて、ホラー・ビデオはレンタル屋から一掃された スプラッター・ブームはとどめをさされた
四方の壁面がすべてビデオテープで埋め尽くされていたのです。
テレビとビデオデッキが3-4台あったと記憶しています。
そんな部屋は見たことありません。
まさに「理解不能」でした。
おそらく、あの部屋の映像を覚えておられる方は、
あのビデオはみんな、アダルトとか盗撮とかロリータとかそんな類のものだと思っているのではないでしょうか。
実は違うのです。
大慌てで、ビデオのタイトルを写したのですが、
ほとんどは「男どあほう甲子園」とか「ドカベン」といった、
ごく普通のアニメばかりでした。
その中に、おぞましい映像が入ったビデオも含まれていたのですが、
少なくともそれはごく一部だったのです。
なぜ、そういうイメージが伝わってしまったか、
については理由があります。
部屋の隅には、数十冊の雑誌の山がありました。
どんな雑誌かももちろん確認しました。
大半は、「GORO」「スコラ」です。
20代の男性としては、ごくごく普通でしょう。
その中に「若奥様の生下着」という漫画が1冊ありました。
ある民放のカメラクルーがそれを抜き取って、
一番上に重ねて撮影したのです。
それで、あの雑誌の山が全部、さらにビデオもほとんどがそういう類のものだという、
誤ったイメージが流れてしまったのです。 事件報道のリソースに「恣意的な映像」を加えていたマスコミ、それを黙認するマスコミ。より
1989年のこと 最近じゃ「ひぐらしのなく頃に」で似たような話があったね あれの先駆けと思ってくれ
この件に「表現の自由」を持ち込むひとがいるが、それは筋違い すべての事例は自主規制だからです 臭いものに蓋をしろ、と世論が騒げば、供給側は仰せに従うばかり 彼らはブームに乗りナリワイとして低俗をやってるだけで、何か志があるとか、そーいうんじゃない ただ、蓋をされる前と後で景色が微妙に違ったのは確か 臭いものは見えなくなっただけ その匂いが消えるはずもない
実際に宮崎家から出てきたのは、この「ギニーピッグ4 ピーターの悪魔の女医さん」だったけど、報道では何故か「2」とされた 実物みればわかるとおり、「4」は竹中直人とWAHAHA本舗のキワものブラック・コメディで、監督喰始は「ゲバゲバ90分」の放送作家 「モンティ・パイソン」や「ケンタッキー・フライド・ムービー」を狙った深夜TVの悪ノリビデオなんですよ 対して「ギニー・ピッグ2」は日野日出志監督のグロテスク・スプラッター 巻によって全然違う (当時の竹中直人の異人ぶりはこちら)
勘ぐれば、「ピーター悪魔の女医さん」って、これじゃー殺人衝動は起こんねーよ・・・
似たようなのでもっと、こう、エグいのあるだろ?って捏造現場の声も聞こえてきそうだ
そのくらい、ヒステリックな空気はあったと思う
宮崎勤事件―塗り潰されたシナリオ
著者: 一橋 文哉; 新品 ¥62
宮崎家5800本のビデオがお茶の間に映った同時期に、「お宅」という言葉が一般化した記憶があります 1990年代初頭に「オタク」と呼ばれることはイコール「気持ち悪い奴」って意味でした そのイメージは宮崎勤から来ています 青白い顔 目を見ない メカに詳しい 長髪 ロリコン 部屋にはビデオやフィギュアがいっぱい
ところで2003年頃、自分がインターネットをはじめてまず驚いたのは、世の中にこれほどオタクがいるのか、ということ 己の周り、同世代に限れば美少女アニメが好きな友人知人はひとりもいない さかのぼってクラス・メートには何人か、いたけど存在感希薄だった 忌憚なく言えば彼らは典型的な「いじめられっ子」タイプだった
最近になってmixiで知り合った20代半ば自称オタクの友と話すと隔世の感があるね 己がオタクであることを誇りこそすれ全く恥じない 「ヒサミチさん、アニメ見もしないでキモいキモい言ってちゃ説得力ないですよ」と説教された 見た目まともで普通にモテそう
この15年で「オタク」は驚くほど浸透した 前ならその趣味隠してたもんゼッタイ 地位向上のきっかけは何か、いまいちつかめないんですが
宮崎勤は同世代の批評家によって、膨大な考証が残された犯罪者です 宅間守なんて比にならない
総じて彼らのアイデンティティー・クライシスいうか、黎明期「オタク」としての不安がTVの向こうにそのまま立ち上がった焦燥感、ばかり伝わってくる文が多かった
うち自分一番のオススメは橋本治の時評「89」です
’89〈下〉
著者: 橋本 治
宮崎逮捕の寸前に、精神分裂病になってしまった助手との対話 読み終えて視界が変わった一冊でした
河出文庫いま絶版らしい 古本探せばあると思うよ
ゾンビ、カンフー、ロックンロール 89年の宮崎勤ヒステリー
Stage6 ジョン・ウォーターズ「マルチプル・マニアックスMultiple Maniacs」&「ミッドナイト・ムービー」
事件や事故に配慮して差し替えとなった作品
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